不妊治療?顕微授精について

顕微授精という不妊治療をご存じでしょうか。顕微授精は、重度の男性の不妊症や、通常
の体外受精では受精することが難しい高度受精障害の場合に行われています。
体外受精は不妊治の中でも最先端の治療法と言えますが、顕微授精はさらに高度で精密な
技術が必要とされる治療法です。
体外受精は、精子と卵子を媒精して受精させ、培養した受精卵を子宮内に戻して妊娠させ
ると言うものです。媒精という耳慣れない言葉が出てきましたが、これは精子と卵子を培
養液の中に入れて自然に受精させる方法のことを言います。多数の精子の中でも最も優秀
な精子のみが卵子の中に入ることができるのです。
一方、顕微授精は、顕微鏡下で、極細のピペット（スポイトのようなもの）を使って、卵
子の中に直接精子を入れることで受精させます。直接卵子の中に精子を入れて受精させま
すので、精子が１つでもあれば顕微授精は行うことが可能です。
このため、極端に精子の数が少ない重症の男性不妊の人や、無精子症の男性でも顕微授精
でしたら受精させることがが可能になります。今までは子どもを持つことを諦めていた男
性が父親になることを可能にした画期的な治療法なのです。
顕微授精には現在、３つの方法があります。透明帯開孔術（PZD）、囲卵腔内精子注入法
（SUZI）、細胞質内精子注入法（ICSI）です。この中ではICSIが一番妊娠率が高いこと
から、顕微授精の主流はICSIとなっています。
このように男性側の重度不妊にも大変有効な顕微授精ですが、これにかかる治療費は今現
在保険適用外となっています。自費での治療となりますので、体外受精の費用に比べてお
よそ10万円ほど高くなってしまいます。